
植物性の色素は元々染め物などに使われるほどのものが多く、一度染みになってしまうと中々落ちないものが珍しくありません。中でも強固な染みになってしまうのが「ユリ」等の花粉。
最近では花粉染みの発生を抑えるために花屋などで花束にされるユリは予め雄しべが切られていますが、花束の中に交じる「蕾」についてはそうも行きません。また公園や植物園等で、これらの強い色素を持つ花粉が知らないうちにべったり…なんてことも。
これらの「花粉」のシミが付いてしまったら、まず「水洗い」をするのは厳禁。植物の花粉は水分を含むことでますますその働きが活性化するため、より強固で落ちにくいシミになってしまうのです。
外出先等で花粉を付けてしまった場合には、まずはその部分をよく裏側から叩いて、花粉をはたき落としておきましょう。また花粉類等の衣類に絡みつきやすいシミが付いた場合には、帰宅後も「服ブラシ」はかけません。服ブラシを使うことで、よりシミの範囲が広がってしまう可能性があります。

このような時に活躍してくれるのが「掃除機」です。
通常の居住用の掃除機でも十分に使えますが、デスク周り等を掃除するための小型のものがあれば、そちらの方がより適しています。掃除機のヘッドは出来たら外し、ホース部分を露出させるか、隅等を掃除するためのヘッドに取り替えましょう。
ヘッド部分を直接掃除機で吸い取ると衣類がホース中程まで吸い込まれてシワや痛みの原因となるため、ヘッド部にはガーゼか手ぬぐいを被せ、紐か輪ゴム等で固定しておきます。
用意ができたら服を平らに広げ、シミ部分に対して掃除機のヘッドを軽く押し当てるようにして花粉のシミを吸い込ませていきましょう。最初の段階では掃除機の強度はなるべく弱めに設定しておいた方が、生地の痛みを防げます。
掃除機をかけるだけでも花粉は殆ど取れますが、薄く色素が残ってしまった場合には、「無水エタノール」を染み込ませたガーゼで軽く叩くように落としていくと、残った色素を漂白することができますよ。是非お試しください。