
シミの中でも意外とガンコで困るのが「果汁系」の汚れ。例えばオレンジやミカンなどの柑橘類を食べた時に飛んだシミや、果汁100%のジュースをこぼしてしまった時のシミは、繊維の奥深くまで入り込んでなかなか取れてくれません。
特にブドウジュース、ざくろジュース等の色素が強い果汁については一般的な漂白剤でも対処しきれないことがあります。

こんな時に活躍してくれるのが「重曹」。
元々は調理のふくらし粉として使われることが多かった重曹ですが、最近ではその強いアルカリ成分と粒子のきめ細かさが掃除に適しているということで、ハウスクリーニングに使っている人も多いのではないでしょうか。この重曹が果汁のシミ抜きにも使えるんです。
重曹染み抜きのポイントは、シミの部分にいきなり水を含ませないこと。重曹は水に溶けやすいのですが、水分を多く含みすぎると汚れを吸着する力が落ちてしまいます。
シミの部分には重曹パウダーを直接ふりかけ、水を少なめに含ませて、布地の上でペースト状にしていくのがコツです。ペースト状になった重曹は繊維の奥にまで入り込み、果汁の汚れを吸い取ってくれます。あまり強く揉まず、柔らかく伸ばすイメージでシミを抜いていきましょう。
重曹ペーストを伸ばしきったら、シミ部分の上から40℃〜50℃程度のお湯をかけていきます。熱いお湯をかけることで重曹のアルカリ成分が強く働き、シミの元となる汚れを洗い落としてくれるのです。
ただしニット類・ウール等の素材についてはあまり温度が高過ぎると縮みの原因となる恐れがあるので、洗濯表示を確かめた上で適度な温度を選ぶようにしましょう。シミが抜けたら、普通の洗濯石鹸等で重曹成分を洗い落とします。